フレア団のストーリー考察8記事目。対象は、サトシ&アランVSフラダリ~フラダリ敗北まで。
「作戦実行」の前編・中編もよろしくお願いします。(それ以外の記事は、この記事の下部にて。)
闘争本能が最大の力とするフラダリ。人とポケモンが互いに信じ、大好きという気持ちで挑むサトシ。その裏で、2人の科学者の戦いも始まっていました。
人やポケモンを助けるためのものが発明とするシトロンと、それでは世界を変えることはできないと信じるクセロシキの戦いです。(※これについては、考察10で詳しく扱います。)
2つの戦いが起こる中、サトシ達の元へやってきたのが、フレア団の幹部であり、最初のメンバーではなかったパキラでした。
もうやめにしましょう、フラダリ。
彼女はフラダリにそう語りかけます。
パキラにとって、フレア団のメンバーは「世界を良いものにしたい」と思う同士だった。けれど、彼らが見ていたものと、自分が描いていたものは違った。彼らをよく知っていると思っていたのに、あまりに自分は知らなかった。
自分は世界を良くしたいと望んでいる……ならばどうする。
自分と違うものであっても、世界を変えようとして行動している彼らに協力するか。それとも、世界を変えるのに大切なものを持つと信じているアランと、そのアランが信じているサトシを信じるか。(参考:考察5)
プリズムタワーを目指して歩む中、パキラは後者を選択したのではないでしょうか。
それでもなお続けるフラダリに、サトシも声をあげます。
今生きている1人1人に、明日がある。その明日を奪わせない。奪って良い理由はない。この世界をどんなに嫌おうとも、その明日を奪うことを許さない。だから自分は、ポケモン達と一緒に明日のためにたたかう。
そして、状況はまた大きく変化します。フラダリの目に、Z2が分離する姿が映りました。
Z1(=プニちゃん)とZ2へのコントロールを失う。その意味は、オペレーションZの失敗。もうフレア団は、1通りの成功を掴めない。その希望は無い。
けれど、オペレーションZが途中で失敗したことは、同時に、巨石作戦の道が開けたことでもあります。(参考:考察4)
対峙している彼ら。しかし、そんな彼らが巨石作戦への道を開いた。オペレーションZが行き止まりであるなら、もはや躊躇いはない。これで心置きなく、何もかもからやり直せる……。
自分の信じたものを叶えるために、自分の何もかもを間違いにする。その矛盾にためらうことなく、フラダリはプリズムタワーから飛び降ります。
喜びを与え、そして奪った“希望(=サトシ)”への、善意を模した復讐か。
最後の障壁である“自己の存在”を捨て去るためのイニシエーションか。
自分が世界にとって必要か不要かの判断を“運命”に託したか。
目的を叶えるために、最後の財産である自分を捧げるためか。
サトシ達に捕まる危険が高い方法での脱出(実際、ゲッコウガは後少し早ければフラダリを捕まえられた)。それでも「飛び降り」という手段を選んだ理由。
その方法しかなかったとも考えられますし、↑の4つ以外の可能性もあると思います。
その後、サトシ達は巨石作戦の存在とフラダリの目的に気が付きます。世界を破壊し、何もかもをやり直す……サトシ達はそれぞれの場所から巨石に向かい、それを阻止しようと動きます。
そこに待ち受けていたのは、フラダリでした。しかし、そこにいるフラダリは、少し前までいたはずのフラダリではありません。
「世界を良いものにしたい」という思い。同じ気持ちを持った同志。人々への絶望。その絶望から導き出した答え。そして、生きてきた道程の全て。
今いるフラダリは、それらすべてを第三者のものにして、巨石作戦実行にのみ生きている存在。
もう何も通じない、もう元の自分に戻ることはできない。今ある記憶は過去の自分のものであって、今いるフラダリのものではない。
ゆえに、フラダリは、過去の自身の立場だけではなく、第三者の立場としても叫ぶ。
貴様も私と同じ世界を見ていたはずだ。
人間の際限なき欲望が、平和を乱してく様に、何も感じなかったのか?
今になって出てきた貴様に、何を守ることができる?
資格などない!
ジガルデは答えます。
その資格があるのは人間にある。守ってくれた、離さないといってくれた彼ら……次は自分の番だ。
フラダリはそれを否定し、唯一残った破壊でもって、倒そうとします。けれど、巨石という強大な力を手にしたはずのフラダリは、それを上回った彼らに敗北しました。
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考察と仮説:1:フレア団結成前:前編
考察と仮説:2:フレア団結成前:後編
考察:3:フレア団という組織:結成前と結成後の変化
考察と仮説:4:オペレーションZと巨石作戦
考察と仮説:5:フレア団にとってのアランとサトシ
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<参考>
ポケットモンスター XY&Z:38話~42話
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