さて、今までフレア団の組織の始まりやその形態、作戦の意図、サトシとアランの存在について考えていきましたが、いよいよフレア団が作戦を実行してからの一部始終を考察・仮説立てをしていきます。
前編での考察・仮説は、オペレーションZ開始~プリズムタワーにアランが到着するまで。
カロスリーグが終結し、「サトシの存在により自分は成長した」とアランが自覚した頃。プリズムタワーでは、フレア団がZ2をメガシンカエネルギーでコントロールしようとしていました。
人間は愚かだ。この愚か者は、全て消えてなくなれ!
(自らに過酷な実験を繰り返したフレア団が攻撃されないことから、)この言葉はフレア団の光線によるものが中心だと思います。しかし、Z2とプニちゃんとの会話から見ると、それだけによって発せられた言葉ではないとも感じました。
(ただ、フレア団はZ2とプニちゃんとの会話を知らないので、コントロール前にすでにあったその気持ちを利用して……というのは考えづらいです。)
そして、プリズムタワー最上部に上がったZ2は50%フォルムへと姿を変え、巨大な植物で街へ襲い掛かります。その光景を見て、フラダリは叫びます。
開幕だ、私の最高のステージが!
フラダリがどうして「ステージ」という言葉を使ったのか。それは本当に文字通り、このオペレーションZという作戦自体がある種の“見せ物”だったからではないでしょうか。
オペレーションZは(フラダリにとって)失敗する確率が限りなく高い代物だった(考察4を参照)。しかし、それはサトシの登場という「人は石を使わずに強大な力を持てるという証明(=新たな可能性)」により、成功の光が見いだされた。
そして、サトシ自身はその希望をフラダリに示した恩人であり、今までにない力を唯一使いこなせる憧れの人。(参照:考察5)
物がどういう意味を持つか。それは、そう感じる人が多いか少ないかも大きく関わっていますが、特別な人が認めているかというのも要素として含んでいます。
もし特別な人間がオペレーションZを“良い”と認めれば、フレア団の客観的見方にとってプラスな物へと大きく傾く。
そしてその承認を得られれば、作戦が失敗しても“特別な存在”であるサトシが別の形で後をつなぐ。成功すればそれで良し。作戦後はサトシが導となって動いていく。(おそらく、フレア団の本命は後者のほうです。そしてその承認は、得られるものだという確信もあると思います。)
サトシという存在から肯定されるための、フレア団を肯定する舞台。
愚かと感じる人々を攻撃するZ2。止めようとするZ1。それを見ているアランも、そんなことはおかしいと言う(≒昔のフラダリ達)。しかし、Z2の行動意志(※コントロール)とフラダリ(≒今のフラダリ)の論破により、Z1とアランは理解・納得し協力・肯定する。そして共感したサトシは現実でその舞台を展開する。
(サトシとアランに安全地帯から作戦の様子を見せていること、フラダリがアランやサトシとやり取りをしていること、「今日ゲットしたいのは君なのよね」「来たかアラン」「上手くおびき出せたみたいね」というセリフがこれらの根拠に当たります。細かい点はこの後で。)
一連の事件を舞台だと考えていたならば、そのようになるのではないでしょうか。
そしてZ2が暴れ、セレナ達やR団、仲間であるパキラが行動を起こす中、フレア団はサトシとアランを手に入れ、フラダリは人々に向けて放送を流しました。(この放送については、以前こちらでも考察しました。)
サトシにこの放送を見せていないことからすると、少なくともこれは「サトシに向けての演出」ではないはずです。
ならば、その目的として何が考えられるか……。主の理由は恐らく「フレア団がどういう意図でこの行為をしているか」でしょう。
それを示さない場合、単純に伝説のポケモンの暴走と捉えられかねませんし、例え「ジガルデが人やポケモンの営みに怒りを覚えている」と思われても、「その原因が何か」について誤解される可能性は大いにあります。
それから、これらは↑の理由の上に成り立つ物ですが、「フレア団が見つけられなかった同意者にアプローチする」「行為の正当性を示す(=伝説のポケモンがそう判断したのだからそれが正しいのではないか?と思わせる)」も考えられます。
放送が終了し、日が落ちかけた頃、フラダリの前にアランがやってきます。(そのすぐ後で、おびき出される形で、プニちゃんもZ2のところへやってきます。)
⇒中編へ続く
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考察と仮説:1:フレア団結成前:前編
考察と仮説:2:フレア団結成前:後編
考察:3:フレア団という組織:結成前と結成後の変化
考察と仮説:4:オペレーションZと巨石作戦
考察と仮説:5:フレア団にとってのアランとサトシ
<参考>
ポケットモンスター XY&Z:38話、39話
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