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企画「それぞれの炎を考える」第2弾。セレナに続いてみるのは、「ポケットモンスター サン&ムーン」に登場する炎の使い手、「カキ」。
※他のキャラクターについての「炎を考える」記事はこちらからアクセス可能です。
引用:
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<カキの「炎」の描写>
「カキよ。命を破壊する炎ではなくヴぇラの山の炎のように命を育てるほのおの使い手に成れ。」
カキの目指す炎は、(回想シーンでの)この祖父からのセリフから「ヴぇラの山のような命を育てる炎」と判断できます。(「目指すとしたのは、回想シーンで炎の別の面についてカキの祖父が語っているためです。)
これは他者から与えられた炎、つまり、レッドのケースと同じと言えます……が、「レッドの炎」と「カキの炎」には、(同じ他者から与えられた炎の概念であっても、)大きく違う部分がありました。(そのことについては、「レッドの炎を考える」で取り上げましょう。)
<カキの見る「ヴェラ火山」>
上記のカキの回想から、カキの炎はヴェラ火山ととても強い関わりを持っています。ここからは、カキがヴェラ火山をどう思っているのか――それに加え、(カキの思う)アローラの姿/Z技について掘り下げていきましょう。※ゲームにもヴェラ火山は登場するのですが、ポケモンスクールが登場すること、カキがダンサーを目指していないこと、リーリエの登場の仕方が異なっている、等々の違いがすでに見られていることから、ゲームでの設定についての考察を含むのは取りやめました。
・ヴェラ火山
まず最初に「ヴェラ火山」について。(「ポケットモンスター サン&ムーン 11話」で)ヴェラ火山はカキの家のそばにあり、カキの家族は食事前に山へ祈りをささげます。この点から、カキ(カキの家族も)にとってヴェラ火山は「神聖なもの」を含んでいると考えられます。
それから、同話でのカキの回想において。カキの祖父は「ヴェラの山の炎のように命を育てるほのおの使い手になれ」と言っています。(ここは冒頭で記したとおりです。)
・アローラの姿/Z技
「ポケットモンスター サン&ムーン」9話。この回では島キングのハラさんの口から「(島めぐりは)アローラの島、ポケモン、人間……全てを愛し、守れる若者を育てることが目的と語られました。(つまり、それをクリアして使えるようになるZ技はそういう人が使えるようになる、といえます。)
そして「ポケットモンスター サン&ムーン」の2話。Zリングを授かったサトシに対し、カキはこのようにたしなめています。
「Z技を軽々しく考えるな!Zリングはポケモンとトレーナーの思いが1つになったとき初めてその思いを力に変えるんだ。そしてそれは神聖でなくてはならない」
そして、「神聖?」とサトシがつぶやいた後、続けて、
「島のため ポケモンのため 誰かのため。この世にあるすべての命を思いやる者だけがZ技を使うことが許されるんだ。カプ・コケコがお前のどこを気に入ったのか知らないがZリングを持つからにはそれなりの覚悟が必要なんだ」
このように語っていました。(かなり島キングが語ったものと似ています。)
1つ目(「Z技を軽々しく~」)からは、カキは「ヴェラ火山と同様にZ技も神聖なもの」、「Zリングは人とポケモンの思いを力に変えるもの」と考えていると分かります。
そして2つ目(「島のため~」)からは、カキが「島も命を持つもの」、「全ての命を思う者だけがZ技の使用を許される(Z技は悪い方向に働くこともあるため、使う人間は”命を思いやる”ことを中心に考える人間でなくてはならない)」と思っていると判断できます。
<カキの炎>
冒頭で記したように、「カキの思う炎=(焼き尽くしたり文明を与えたりといったような)様々な面を持つもの」、そして「カキの目指す(選んだ)炎=命を育てる炎」と言えます。しかし、それだけではありません。カキの進む先にあるであろう「炎」に対して「神聖」であると感じ、また、アローラにとって「命を育てる炎」になるために、(人、ポケモン、島……すべての命を思う人間のみが成れる)Z技使いという道を選んだ……そう読み取れます。
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「それぞれの炎を考える:カキの炎」は以上となります。
第3弾、第4弾もよろしくお願いいたします!
<参考>
ポケットモンスター サン&ムーン:2話、9話、11話
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