連続記事「それぞれの炎を考える」。最後に取り上げるのはフレア団のボス、「フラダリ」です。この記事は前編と後編に分かれています。後編では「フラダリ側から見るフラダリの炎」について考えていきます。
前編はこちらからどうぞ。
引用: (c)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (c)Pokémon Copyright(c)TV TOKYO Corporation All rights reserved. |
・フラダリの炎を見る前に……
本来ならば、(「それぞれの炎を考える」でみてきた3人と同様に)「フレア団」はどういう組織かを見、そこから「フラダリの炎」はどうであるかを考えるところですが……今回は、「考察と仮説」ではなく、「仮説」という形をとりました。この企画(=それぞれの炎を考える)を思いついた段階で自分なりに「フラダリの炎はこういうものなんじゃないだろうか」と感じたものがあり、実際、考えていくうちに「そうではないか」と(それに対し)思うようになっていきました。
しかし、それはどうも考察の範囲ではないーー仮説にとどまるーーと感じ、今回、「考察と仮説」ではなく、「仮説」としました。
<「フラダリの炎」の描写>
フラダリの炎は、彼の組織している「フレア団」であると考えることができます。フレア団のロゴマークは、最初は地球のような形でしたが、ある出来事によって、炎のマークへと変化しました。
フレア団はカロス地方にある組織で、目的は「自らが選んだ人間以外の人々を抹消し、争いの無い世界を作ること」。ゲーム等ではポケモンも消し去られる対象でしたが、アニメではそういったようなところは見られませんでした。
アニメ(本編)ではジガルデを使いカロス地方の破壊を試み、それに失敗した後は巨石とヒャッコクシティの日時計を融合させることで世界ごと消滅させようとしました。
フラダリの使うカエンジシ、パキラのヘルガーといったように炎タイプのポケモンが他の組織に比べ多いと感じますが、そうでないタイプのポケモンの方が圧倒的に多いです(スコルピ、クロバット、ポチエナ、ドラピオン……etc)。
これらのことから、フレア団が自らの組織名を「フレア」としたのは、実際に起こす内容とも、使うポケモンともあまり関係がないと考えられます。
<仮説>
アニメとして放送されてから、ずっと気になっているシーンがありました。それが、このシーン。引用:
(c)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (c)Pokémon Copyright(c)TV TOKYO Corporation All rights reserved. |
このシーンが放送されて暫くは、「”高さ”ということが関わっているのではないか」であるとか、「フラダリが愚かと感じた人々が伸ばす手の表現ではないか」であるとか考えていました。(後者はこの記事で指摘)
ただ、やはりそれでは納得できない部分がありました。この2つでは、「水」に変わる必要はありません。
しかし、もし「何かを表現したかったから水を使った」のではなく、「水そのものを使う必要があった」のであるならば。
例えば、このようなことは考えられないでしょうか。
フレア団結成前(=ロゴマークが炎ではなく地球のような形だった頃)、フラダリは人に対し手を差し伸べる活動をしていました。しかし、「彼らは助けを当然のものとし、要求するばかりだった。声高に自分たちの権利を主張するようになり、救いの手が彼らの傲慢を招いた」。
その傲慢によって、フラダリの何かーー「人々を助けたいという意志」であったり意欲であったりーーが消し去られたと感じたならば、そこから立ち上がるためには「消されない程強いもの」が必要となります。(勿論、これは方法の1つにすぎませんが)
その「消されない程強いもの」がフラダリにとって「炎(どんな水にも消されない炎)」になり、反対にフレア団結成前の「自分の何か」を消し去ったものである「(フラダリが愚かと感じた)人々」、もしくは「(彼らの)声高な主張」や「傲慢」は炎を消す「水」で描かれた。
そのような可能性を指摘できるのではないでしょうか。
(そのように考えると、サトシゲッコウガに関しても説明がつくのでしょうか。フラダリが炎であるならば、サトシはフラダリが愚かと感じた人々を助ける側であるので水になる。)
<フラダリの炎>
前編で見た「フラダリの炎」(プニちゃんから見たフレア団)は、「自分(=プニちゃん)を捕まえるためならば攻撃を仕掛けたりどこかの場所を破壊することも辞さない存在」であり、尚且つ、「自分(=プニちゃん)に協力する仲間がいれば、バラバラにして弱体化できる存在」。そして、今回の後編からは、(仮説という形ではありますが、)「どんな水(何者)にも消されない炎」であり、それは「消される」・「炎を消す存在である水」を意識するところからくるものと推定しました。
この2つには、共通している箇所とそうでない箇所があります。
「どんなことをしても/どんなものに対しても」という部分は共通しています(プニちゃん側からは炎の破壊の様子から「どんなことをしても自分を手に入れたいのだ」と思い、フラダリ側からは「どんなものにも消されない」という意志から来ています)。
しかし、その範囲は異なります。プニちゃんの場合は「分離することで炎を弱体化させられる」と思いましたが、フラダリ側からはそういうことも含めて「どんなものに対しても」となっていたと考えられます。
ーーーーーーーーーー
「フラダリの炎を考える」、そして企画「それぞれの炎を考える」は以上となります。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます!
<参考>
ポケットモンスター XY&Z:1話、5話、39話~42話
0 件のコメント:
コメントを投稿